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【サイドカー体験運転】

NKオートでは、オリジナルサイドカー「ロードセイラーⅢ」の製造・販売・取り付けをしております。
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【サイドカー体験運転】_e0218639_2359244.jpg

去年7月のとある日曜日、私は中尾店長からサイドカーの運転指導をしていただきました。

機体は、真っ赤なK100RS+ロードセイラーⅢ(本車の右にカーを取り付けている、ウィッシュボーンサス仕様)です。オーナー様の了承をいただいて運転させていただくことになりました。

練習場はNKオートの近くにある倉庫街で、日曜日は車通りがほとんどなく、練習するにはもってこいだと聞いていた場所です。

(投稿 池田/写真は、体験運転とは別の日に撮影したものです。)

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【カーの乗り心地】
お店から倉庫街までは、中尾店長が運転します。私はカーに乗り込みました。【サイドカー体験運転】_e0218639_035162.jpg
カーの着座姿勢は、足を前方に延ばした状態で、まるでフォーミュラーカーのコックピットのようです。(お風呂(バスタブ)の中に入っている感じ、とも言えます。カーのことを舟と呼ぶのは、”湯船”のイメージだから…という新説を考えてしまいました。)
いざ走り出すと、パッセンジャーシートはウインドスクリーンで風から守られて快適で、やや固い目の足回りの心地よい震動で眠たくなってきました。

幹線道路から倉庫街へ入る交差点を左折する時(本車側へのコーナーリング)に、中尾店長はあまり減速しないでターンを始めました。「オーバースピードでは?」と私が思う速度でしたが、側車輪が支えとなって、そのままクイックに左折してしまいました。「これぐらいの速さでも安定して曲がれるんだよ」という手本でした。

【カー側への旋回】
倉庫街に着いたところで、中尾店長と運転を交代し、ヘルメットに装着された有線式インターコムを通して、カーの中尾さんからアドバイスを受けながらの運転練習が始まりました。

サイドブレーキを外し、ローギアに入れて、恐る恐る走り出しました。
単車のK100RSに乗り慣れているので、操作の感触は問題ありません。しかし、ハンドリングはバイクとは別物でした。

【サイドカー体験運転】_e0218639_0172929.jpg「その交差点を右折して。交差点中央までは突っ込まないように」と中尾店長から指示がありました。
ハンドルを右に切って右折を始めましたが、身体が遠心力でアウト側へ引っぱられます。交差点を曲がりきれないような気がして怖かったのですが、「アクセルを開いて」という指示を信じて加速すると、回転半径が小さくなっていくのが分かりました。曲がりきれないどころか、右折を終える時にハンドルを戻すのが少し遅れて、センターラインを跨いでしまった程の小回り性能でした。

しばらく右折の練習を繰り返します。
ハンドルを戻すのが早すぎて、路肩へと走行ラインが寄っていってしまった事がありました。ハンドルを切って対処しなければならないのに、身体が勝手に、本車をイン側へバンクさせて進路を変えようと動いてしまうのです。
とんなに体重を掛けてもサイドカーがバンクをする筈もなく、コースアウトの不安を感じて次にアクセルを戻したのですが、ハンドルを切っていないので、一向に進路は戻りません。
慌てて、バイクの時の癖でフロントブレーキだけで止まろうとしましたが、こちらもあまり効きません。最後にフットブレーキを踏んで、路肩ギリギリで停車し、事なきを得ました。(フロントブレーキは取り回し時に止めるための補助用で、3輪同時に制動するフットプレーキを主に使わないといけなかったのです。)
サイドカーはバイクとは全く別の乗り物で、バイクの乗り方は捨て去らないといけないことを実感しました。

操縦の基本を頭の中で確認して再スタート。それからは順調に倉庫街で周回を重ねました。

【本車側への旋回】
「今度は左に曲がって」と指示がありました。アクセルオフにして曲がり始めたのですが、エンブレで速度がどんどん下がってしまいます。加速のためにアクセルをオンにした途端、ハンドルが重くなりました。正確には、ハンドルが勝手に右に戻ろうとするのを、腕の力で左へ引き戻さなければならなくなるので、舵角を保つのに力がいる=ハンドルが重い、と感じるのです。

次の左折では、ハーフスロットルを使って曲がるようにしました。早くアクセルを開けたいけれど、開けるとハンドルが重くなります。その兼ね合いが難しくもあり、サイドカーらしいところなのでしょう。

倉庫街に入る時の、中尾店長の進入速度を思い出しながら、左折の練習を続けました。

操縦に馴れてきたところで、一つの疑問が湧いてきました。
直線区間で、左折に備えてアクセルオフにして減速している時、車体が右(カー側)に寄って行こうとするのです。
「アクセルオフでは、本車側へ寄るはずなのに???」
知識とは異なる挙動を示すので、とても不安になりました。

後で中尾店長に尋ねたところ、「このサイドカーは、オーナー様の希望で、アクセルオフでも右(センターライン側)へ寄るようにセットしてあるんです」という回答でした。

やはり、アクセルオンではカー側へ、アクセルオフでは本車側へ自然に寄っていくセッティングが乗りやすい、と思いました。

【Uターン】
「路肩に止めて」と指示がありました。停止したら、「ハンドルを右に一杯に切って、Uターンして」と。その通りやってみたら、ちゃんとUターンができました。これで、どれほどの道幅があれば転回できるかも把握できました。

【サイドカー体験運転】_e0218639_0201028.jpg【幹線道路を走行】
20分程の練習の後、そのまま倉庫街を出て、交通量の多い幹線道路(中央環状線)を通ってお店まで戻ることになりました。
サイドカーが勝手に動く、という違和感はいつしか意識から消えていました。左ハンドルの自動車を運転しているつもりで、車幅感覚にだけ気をつけて走り、無事にNKオートに到着。交通の流れに乗って初めて「公道」を走った感じがしました。
店に着いてエンジンを切ったところで雨が降り始めたので、急いでサイドカーを店内に戻しました。借り物のサイドカーを濡らさないで済みました。

【サイドカー運転の感想】
「サイドカーを運転すると、腕が疲れるからダメだ」という噂を耳にしていましたが、全く問題ありませんでした。ハブステア《ウィッシュボーン》に換装されている効果なのでしょう。ハンドリングが振られるようなことは皆無で、左折(本車側へのコーナーリング)中にアクセルをパーシャルに保つことだけを心がければ、重さも特に感じません。

2輪車でも4輪車でもない、独特の動きをするサイドカー。
バイクの運転感覚(=ハンドルには手を添えているだけ。車体をリーンさせて曲がる。制動はフロントブレーキ主体、等々)を捨て去ることが必要でした。
車ならば、左右どちらに曲がる時も同じような挙動を示すのですが、サイドカーは右折と左折で別物の感じがします。極めて特殊な乗り物なのだ、ということを教えられた体験走行でした。

by nkauto | 2011-04-04 23:59 | サイドカーについて | Comments(0)  

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