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【サイドカーの運転 Part2】

NKオートでは、オリジナルサイドカー「ロードセイラーⅢ」の製造・販売・取り付けをしております。
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4月29日、サイドカーK100RS+ロードセイラーⅢ(本車の右にカーを取り付けている、ウィッシュボーンサス仕様)でソロツーリングに出かけました。
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【ルート】
午後4時に大阪市内を出発して、R163号~伊賀上野~名阪国道天理IC~R169号~奈良県庁~R24~R163~大阪市内へと戻ってくる、160kmのルートでした。

帰りの奈良市内で1回給油停車した以外は休みなしで、5時間走り続けました。大型連休初日ですが、途中の名阪国道で約2kmの渋滞につかまった以外は、順調な走行でした。

【サイドカーの運転 Part2】_e0218639_19372431.gif【身体への負担】
首と腰が痛くなりました。(帰宅してから、しばらくすれば解消しましたが、走行中はつらかったです。)

今までに単車では経験したことの無い疲労です。前傾姿勢が強めの「RS」のポジションである上に、右のアニメのように、サイドカーは路面の荒れでつねに横揺れがするので、ドライバーの首への負担が大きいのです。

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【追記 5/5】
腰が痛くなったのは、前傾姿勢と「過度のニーグリップ」のためでした。

「サイドカーはニーグリップが命」という記事を読んで実践したのですが、ハードなサス設定のサイドカーでは、急激な車体の揺れがまともに腰を直撃してしまいます。
5月2日に、大阪~鈴鹿サーキットの往復(250km)をニーグリップは緩めて走行したところ、腰には揺れによるダメージは出ませんでした。

【サイドカーの運転 Part2】_e0218639_20174720.gifモトクロスのように、膝ではなく、ステップ荷重と踝(くるぶし)で車体をグリップし、上半身は脱力。《股の下でサイドカーを自由に遊ばせてやる》というイメージで乗ればいい、というのが私の結論です。(右のアニメのようなイメージです。)

乗り慣れてくると、法定速度(および制限速度)でサイドカーを走らせているだけなのに、「スポーツをしている」という感覚でいっぱいになり、何て楽しい乗り物なのだ、と感激させられます。


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【運転はむつかしい?】
運転に最初は苦労しました。轍(わだち)で勝手に進路が変わるので、サイドカーを初めて運転する誰もが面食らうことでしょう。場合によっては、二度と運転したくないと思うかもしれません。

自動車だって、教習所で何時間もトレーニングをするのですから、サイドカーも練習が必要です。
距離を重ねるにつれ、挙動に対するハンドル操作が身体に染み込んでいき、運転がどんどん面白くなってきます。

ハードサスのために轍の連続で車体が跳ねてしまう時がありますが、運転始めに感じた不安はとうに消え失せ、いまでは逆にワクワクしてしまいます。
このサイドカーをこのままずっと借り続けて、毎日走りに行きたい、と思います。

サイドカーを「バイクに側車が付いただけ」と思っている人には勧められません。
「サイドカーという不思議な乗り物を操れるようになりたい!」と思う方にこそお勧めします。

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【アクセルのオン・オフに気をつける?】
「サイドカーはアクセルのオン・オフをうまく使って走らせるものです」という記述を目にしますが、そんなセオリーは、本日の走行ではほとんど当てはまりませんでした。
発進時のブレはなく直進しますし、右コーナー・左コーナーとも、アクセルに関係なくグングン曲がって行きます。

解説では「アクセルオフで進入する」とされる左(本車側)コーナーへアクセル・オンで入り、そのままグイッと曲がって行く時は爽快です。側車輪が支えになるので、バイクより速く走れます。

【ハンドルは重いモノ?】
サイドカーを運転した人の感想で、「ハンドルが重い」という記述を目にしますが、今回のウィッシュボーンサス車では気になりません。ステアリングダンパーは付いていませんが、ハンドルがブレて困ることもありません。

この車でアクセルのオン・オフに気をつけるとよい場面は、交差点での左折(本車側へのタイトコーナー)時だけです。さすがにその時だけは、減速気味に進入しないと、ハンドルがすごく重く感じられました。

【腕が疲れる?】
コツをつかんだら運転による腕の疲労は感じません。腕力は必要な時に必要な分だけ使えば良いのです。そのタイミングがつかめれば、全く平気です。

旋回時、外側へ車体と身体が傾くことに慣れれば、傾くことを利用して、外側のハンドルに体重をあずければ操舵のアシストになります。これも省力の一つのコツです。

【側車が浮き上がる?】
カーは無人の場合、「浮き上がり防止に錘(おもり)などを積むとよい」とアドバイスされますが、NKオートのこのカーには何も積んでいません。バッテリーも本車に搭載しています。それなのに安定しているのは、リアタイヤを外側へオフセットしているからです。側車側に充分に重心が寄っているので限界が高く、制限速度+α程度なら、側車が空でも右コーナー(側車側への旋回)で側車輪が浮き上がる心配をしないで鋭くコーナーを駆け抜けることができるのです。

【制動について】
この車体は、フットブレーキで3輪同時に制動が掛かるようになっています。
通常はフットブレーキだけで良いのですが、急制動時は、フットブレーキだけだと右に行こうとします。フロントブレーキレバーと併用すれば真っ直ぐに停車します。試しにフロントブレーキを強く掛けると、想像通り、左へ行きました。フロントとフットの入力のバランスが悪いと姿勢を崩すので、パニックブレーキの時は挙動に注意する必要があります。

【困った事】
本車側面に立って、押してバックさせる時、右レバーに手が届きにくく、効きもしない左レバー(クラッチ)をつい握ってしまうことがありました。

交差点の右折時の、対向車の見通しは左カーに分がある、と思いました。

あたりまえの事ですが、右側に側車が付いているので、センターラインを越えたり、中央分離帯に接触しないように、最大幅(車幅1.68m)のことは常に念頭においていなければなりません。
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フットブレーキを多用するので、右足(膝・足首)が疲れます。軽い踏力で効けば、もっと楽になるのでしょうに。(踵でブレーキを操作できればいいのに…と思いました。)
停車中に右足を伸ばしたいのですが、側車やサブフレームがあるため、下へ伸ばせません(涙)。

【追記】
ブレーキのことを中尾さんに尋ねたところ、「自動車用のブレーキ倍力装置の搭載も試したが、スペースがないことと、見栄えがあまりにも悪いので不採用とした」との事。

【サイドカーの運転 Part2】_e0218639_0582130.jpg多くの人がサイドカーに関心をもってくれるのですが、カーに乗ってもらって《実際に走行しましょうか》と誘うと、「カーの着座位置が低いので怖い」と尻込みされます。
確かにスピード感があるので最初は怖いかもしれませんが、乗り心地はとてもよいのに。残念です。

燃費は15~18kmでした。リアタイヤを本来の18インチから15インチに替えてある分、悪くなった感じです。
ちなみに車検証上の重量は440kgです。重量配分は、前輪170kg・後輪180kg・側輪90kgです。(単車のK100RSの重量は280kgで、前輪140kg・後輪140kgの重量配分です。)


【オススメの装備】
アクセルグリップに、ヒレのようなパーツが付いています。
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スロットルロッカー」というモノです。
【サイドカーの運転 Part2】_e0218639_23458100.jpg高速をクルージング中にアクセルを開けた状態を保持するのは本当に疲れます。
そんな時にこのスロットルロッカーがあれば、手のひらでアクセルを操作できるので、本当に楽チンです。一度お試しあれ。

【追記】
中尾さんにお尋ねしたら、写真のスロットルロッカーは南海部品のモノだそうです。「アクセレーターアシスタントマット」という商品名でした。


(投稿 池田)

by nkauto | 2011-05-01 00:09 | サイドカーについて | Comments(0)  

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