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【サイドカーの特性】

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【サイドカーの特性】_e0218639_12292130.jpg「サイドカー」と聞くと、「側車付きオートバイ」(=オートバイに側車を取り付けた物)がイメージされるでしょう。

現在では、三輪車(トライク等)や側輪(カー側ホイール)が駆動するもの(サイドトライク)も「側車付きオートバイ」に分類されます。

また、「サイドカー」を詳細に見ていくと、

(1)オートバイの形状に加工せずに(補強等は除く)側車を取り付けたモノ
(2)サイドカー全体を一体構造とした(側車を外すと自走出来ない・外せない)モノ
(3)オートバイの後輪・側車輪共に駆動するモノ

に分かれると思います。

今回は、一般にイメージされる「後輪駆動のオートバイに側車を取り付けたサイドカー」について述べていきます。

サイドカーには、左右非対称の3輪ゆえの特性があります。

動輪(エンジンからの動力で駆動する車輪)が一つしか無く、しかも、その動輪が片側にしか無いことが、大きくサイドカーの挙動に影響します。

片輪駆動のモノを真っ直ぐに進めようとするのですから、どこかに無理が生じます。一番はハンドリングに及ぼす影響が大です。

アクセルの開け閉め(加速・減速)に反応してカー側の車輪を中心に回ろうとします。その挙動を緩やかにするためには、トーインキャンバー キャスターと、サイドカー特有のリードと言うモノで調整します。
(サイドカーのキャンバーは、フロント周りをウイッシュボーンやストラットタイプに変えない限り、本車とカー側ホイールの傾きで調整します。【サイドカーのセッティングについて】を参照ください。)

また、その特性が前輪のテレスコピックフォークの捻れを引き起こします。メーカーがセットした直進性を、回転性の方へとセットし直すために、アールズフォークや、変形のウィッシュボーンタイプもしくはストラットタイプ(両者とも四輪用のハブをサイドカーに合うように取り付けます)の懸架装置を用いて調整します。

【サイドカーの特性】_e0218639_12235874.jpgサイドカーに取り付けされるステアリングダンパーは、決してハンドルの振れを取るためのモノではなく、路面よりの突き上げを防ぐモノと思って下さい。セッティングの良否は、ダンパーを外して走行すると良くわかります。

セッティングを間違って側車をセットしているモノ(トーインやリードが適正でない)がありますが、そのままの走行は、サイドカーのフレームや本車フレームに多大なストレスを与え、悪くするとクラック(割れ)の原因になります。


サイドカーの特性としてもう一つ、カー側へのコーナーリング時、遠心力が働いて側車輪が浮き上がり、悪くすれば転覆を誘発する、ということがあります。

カーが無人の時に顕著に出る特性なので、一般的には、本車のバッテリーをカーに移設したり、錘(おもり)などを積んで、カー側に重心が寄るようにして対処します。

乗り安さを追求するために、後輪をオフセット(後輪を外側にふる)する事があります。オフセットされた分、本車の重心が内加重に変わり、カー側の浮き上がりを押さえる事になります。

【右カーの利点】でも説明しましたが、本車のアクセルを開けて加速するとカー側へ、閉じて減速すると本車側へとサイドカーが動くことを知っていただけたと思います。この特性を旨く使って操舵していくことが、逆にサイドカーらしいモノであり、楽しみでもあります。

(NK auto 中尾)

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by nkauto | 2011-01-26 22:59 | サイドカーについて | Comments(0)  

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