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【サイドカーのセッティングについて】

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サイドカーのセッティング(取り付け方)について、全長が2.1mから2.3m位、ホイールベースが1500mm前後の、平均的重量車の数値を基準に書きます。
※各項目共400cc以上を基準に書いています

【サイドカーのセッティングについて】_e0218639_0352781.jpg
1)トーイン
全長(ホイールベース)を半径とする円を書いたとします。角度は1度から多くても2度半までです。直進性を司るセットですから慎重に決めて下さい。

非力な本車(旧車など)の場合、カーを左右に振り回すパワーがありません。
それを補う為に比較的トーインを多く取りますが、それでも2度半(45mm)が限度です。

現行の本車(ここ20年位の車)であれば、1度から1度半(15~20mm)に設定します。
パワーがある故、多く取りすぎると過敏に反応し、ハンドルの振れを誘います。


2)リード
本車後輪軸と側車輪軸のオフセットの事です。エンジンのトルク及び馬力に応じて調整しますが、1975年以降の本車に取り付ける場合はホイールベース(1500mm前後)の13%を目安にセットして下さい。それよりも短い場合は13%から15%の間で調整します。(150mmから多くても220mm。ホイールベース長いものは+20mmほど。)


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3)キャンバー
本当はキャンバーと言うのは、タイヤを固定する上下の回転軸の中心線がタイヤの中心にむけて何度でついているかと言う角度の事です。カーや本車のタイヤが上下のアームで取り付けられていない限りキャンバー角の調整は出来ません。
サイドカーの場合は本車やカー側タイヤを傾けてそれに対応しています。

側車輪にてセットする方がいいです。パワーがあれば逆キャンバーにセットする事もあります。
(補足:「キャンバー」と同じことを「リーン」と言う場合もあります。)


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4)キャスター
【サイドカーのセッティングについて】_e0218639_12182564.jpgFフォークの傾きの事ですが、ステアリングヘッドが固定されているため、テレスコピックフォークでは対処出来ません。ステアリングヘッドの加工をしてテレスコに対応させても、オイルシール部分にストレスを受けるので、あまりお奨めできません。ウィッシュボーンかストラットタイプ、もしくは直進性を僅かに犠牲にしますがアールズフォークに交換して対処して下さい。
ホイールのインチダウン(小径化)でトレール量を小さくすることもあります。

(「アールズの場合、直進性を僅かに犠牲にする」と書きましたが実用域では問題ありません。あくまでも参考意見ですが、180km/hまでは何ともありません。)


5)取り付け位置
車体を水平に見て、重心面水平軸よりもカーフレーム水平軸の前の部分を下げます。(15~20mmを限度として下さい。)

【サイドカーのセッティングについて】_e0218639_1213526.jpg上部の取り付けは、サイドカーの重心を含む面と本車の重心位置との間に持ってくるようにして下さい。下部の取り付けは当然、重心を含む面より下へ持って行くようにして下さい。

下2点もしくは3点の取り付けはステップより下です。上2点もしくは3点は、平均の重心位置が300mm前後ですから、それより上+100mm~200mmの所です。
※補強の位置ではありません。取り付け位置です。(右の写真は、上2点・下2点での取り付け例です。)

前部(下)は最大強度がかかる部分です。

【サイドカーのセッティングについて】_e0218639_120390.jpg補強は必ず本車両側より取り、本車フレームを抱くように取って下さい。面倒ですが、十分な強度を確保する事が、カーの取り付けの基本です。

(NK auto 中尾)

by nkauto | 2011-02-08 00:48 | サイドカーについて | Comments(0)  

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