【ウィッシュボーンサス】
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【サイドカーの運転】で試乗させていただいたBMW K100RS+ロードセイラーⅢです。この機体は、NKオートが製作したウィッシュボーンサスの第4号車です。
【「ウィッシュボーン」開発ヒストリー】
乗りやすいサイドカーにするため、フロントにアールズフォークを採用するのが定番でした。
1980年代に入って、レーシングサイドカーの世界ではLCRが四輪用のダブルウィッシュボーンを応用したステアリングシステムとモノコックフレームを採用し、市販車でも、LCRが開発担当したクラウザー・ドマニや、スイスのGG がBMW K1100をベースに製造したサイドカー デュエットにも同様のステアリング機構が使われるようになりました。(写真はGG デュエット)
そこでNKオートでも、LCRのレーシングサイドカーを手本にして、ダブルウィッシュボーンタイプのハブステアを製作することになりました。
【プロトタイプ】
NKオートのウィッシュボーン取り付け第1号車はスズキGSX-R750でした。(残念ながら写真がありません。)
ウィッシュボーンのアームをどういう角度で作れば良いかわからないので、製作しやすい角パイプのパーツを溶接する方法で、試行錯誤しながら作り上げました。
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【現行のウィッシュボーン】
アームの形状が定まってきたので、丸パイプを曲げる方法を採用し、見栄えのよいアームの形に改良しました。
パイプだけでも充分な強度があるのですが、お客様が不安を覚えないように鉄板を貼り、重厚かつ頑丈そうなデザインにあえてしているそうです。
【失敗談】
GGデュエットのように一本アームで作ろうと、ホンダVFRのプロアームを入手して試作したこともあるそうですが、見栄えが悪くねじれ剛性にも不安があるため完成にはいたりませんでした。
【取り付けベース車】
NKオートのウィッシュボーンは(似合うかどうかは別にして)取り付けの車種を選びません。一台ごとのオーダーメイドなので、どんな車種でも取り付けが可能です。すでにサイドカーが取り付けられていても、あとからウィッシュボーンに付け替えが可能です。
本車にBMW K1(右の写真)やK100シリーズが多く選ばれるのは、サイドカーの本車は「水冷エンジン」かつ「シャフトドライブ」のバイクがベターだ、と考えられるからです。
さらにK100、K1からK1200RSに至るBMWの縦置きエンジンシリーズは、リアのスイングアームが片持ち式でマフラーが左出しなので、リアタイヤをオフセットして、なおかつインテグラルブレーキ化(フットブレーキによる3輪同時制動)するにはおあつらえ向きなのです。
ただし、K1100シリーズは、エンジンの状態が悪い中古車が多いので(K100をボアアップしただけの為なのか、ミッションなどの耐久性が劣る)、中尾さんはお勧めはしないそうです。
フロントのハブステア化(※註)は、当店以外でもOCTRUN(千葉県)、オートスタッフ末広(千葉県)、NN技研(神奈川県)、新潟技研(新潟県)、バイクハウス阿部(愛媛県)などが行っています。
素晴らしいサイドカーの世界を、多くの皆様にお楽しみいただきたいと願っています。
(投稿 池田)
by nkauto | 2011-05-05 22:10 | サイドカーについて | Comments(0)