【クラウザー・ドマニ】
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NKオートで整備をさせていただいたクラウザー・ドマニ ssi(最近は「ドマーニ」とも表記されます)です。今回は、ボディーに隠されたその構造を、NKオートのサイドカーなどと比較しながら紹介します。
本車・側車が一体となったボディーを外すのは、4人がかりの作業です。
ドイツのクラウザー社が製造したドマニは、本車・側車一体構造のフレームに、BMW Kシリーズの「コンパクト・ドライブ・システム」と呼ばれる縦置き4気筒エンジン・シャフトドライブのパワー・トレインを搭載しています。
スピード・タコメーターやハンドルのスイッチ・レバー、ミラー、サイレンサーなどにKシリーズの部品を流用しています。
ドマニの特徴は、ダブルウィッシュボーンサスとフレームでしょう。
サイドカーレースで使用されるようになった懸架システムを採用。レーシングサイドカーのノウハウからフィードバックをうけた本車・側車一体のシャーシの市販車であることから、公道を走るレーシングサイドカーと呼ばれるのでしょう。
ハブを支える2本のアームは、薄い鉄板をつなぎ合わせて製作したものなのでしょう。叩いてみると高い音がすることから、中は空洞になっていて、いかにも軽そうです。
軽量設計の裏返しで、「強度が不足しているので、アームに歪みが生じ易い。修正と補強が必要な機体が多い」というのが中尾店長の感想です。丸鋼管を曲げて製作するNKオートのウィッシュボーンは頑丈(過ぎるほど)です。
ドマニの全幅は1550mmほどです。比較対象のK100RS + ロードセイラーⅢの全幅は1680mm程度なので、ドマニがコンパクトに作られていることがわかります。
幅が狭いと側車が浮きやすいので、その対策としてドマニの後輪はオフセットされています。また、燃料タンクも後輪付近の内側に設置されています。(通常のガソリンタンクの位置にあるのはダミーで、その中にはエアクリーナーボックスが収まっています。)
ドマニのフレームは本車・側車一体になっています。側車輪でセッティングをするので、懸架装置の構造も凝っています。
ドマニのパッセンジャーシートは、スクリーンが開かないので、乗り降りは困難です。乗車姿勢もやや上方を向く格好になるので、快適とは言えません。お洒落をした女性に乗ってもらうことは期待できません。
ドマニにもサイドブレーキが装備されています。ドライバーの右前方にレバーがあるのですが、身体を前へ倒して手を伸ばさないと届きません。
(投稿 池田)
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by nkauto | 2011-09-20 03:25 | バイクギャラリー | Comments(2)